2017年11月01日

テンポをコントロールする

一昨日のコンクールの日記に関連して、テンポのことを書こうと思います。

皆さんは、今弾いている曲の自分の適正テンポをご存知でしょうか?あくまで、「今の段階の」です。私が思う、今の自分の適正テンポとは。
@楽譜通りの音を鳴らせて
A指使いに迷わず
B強弱、フレーズをはっきりさせ
C音楽的に弾ける
ギリギリのテンポです。これって実は、結構遅くなるはずだと思います。

子供達をレッスンしていると、弾けていないのに速く弾こうとすることがあります。そこ、ゆっくり弾いて?と言うと、大体みんな嫌そうな顔するんですよ(^^;;。中には、死ぬほどゆーっくり弾き始めて、どうだっ!て顔する子もいまして。いいね〜、じゃあそれで最後まで弾いてね…と言うのですが、結局もとの速さに戻ったり、わからなくなったり…と、弾けた子はまずいないです。そして、次に来るのが「速くなら弾けるからいいんだもん!!」です。

ですが。必ずゆっくりも弾けなくてはダメだと私は思っています。そして、ゆっくり弾いてみると、おもしろいくらいボロがでてきます。それくらい、私たちは曖昧にピアノを弾いていて、テンポ速ければそれが自然にごまかされて弾けたつもりになりやすいです。つまり、ゆっくり弾くのは速く弾くより難しいです。なので、ゆっくりをキチンと弾ければ、きれいにテンポを上げていくことができるし、暗譜もそれだけしっかりします。いいことづくめです(^^)。

さて、一昨日のコンクールのKちゃんですけども。私がハタから見ていて感じたのは…ここ数週間、彼女は試行錯誤で色々なテンポで弾いていたようです。速く弾くと、まとまって勢いも出るけど細部が粗くなる。遅く弾くと、丁寧にはなるけど流れが悪くなる。先生の指導のもと、よく頑張っていました。私はバイオリンのことはわからないからなんとも言えないけど…それでも、やっぱり。仕上がっていても、ゆっくり練習することは大切です。そしてピアノと違って彼らは、伴奏者によってわずかながらもテンポが変わることもあり得ます。それにも対応出来なくてはいけない。どんなテンポでも動じないように、色んなテンポで弾けるようにしたいところだよね…と彼女に言いながらも、これはピアノでも全く同じだと思いました。

ピアノの場合、ソロであればテンポは好きに設定出来ますが。特に速い曲の場合なんですが、弾きたい速さの少し遅めでも、練習しておいた方がいいです。例えば、本番のピアノの鍵盤が重くて弾きにくい…とか。指先が乾燥してすべる…とか。気持ちよく弾けない環境のことがあります。その場合、速い曲をいつも通りに弾くのは事故りやすいので、少しテンポ落として弾きたいところです。あと、本番は緊張して無意識に速くなりやすいので、落ち着いたテンポバージョンで弾くくらいでちょうどいいです。それでも後から録音聴くと、普通に速いですから(^^;;。でもこれだって、落ち着いたテンポバージョンを練習しておかないと弾けないものです。テンポ落とすって、上げるよりも怖いものなので、その場でいきなりやると失敗しますのでね…。

なので、テンポをコントロールする為には、かなり弾きこんで楽譜を理解していることが必須なので、色々なテンポ練習は、舞台にあげる曲の完成度を上げるのにはオススメだと思います。どんな速さでも弾ける!を目指してみてください(^^)。

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2017年10月30日

明日につながる結果

今日はバイオリンのコンクールの伴奏に行ってきました。小6の彼女には、通常の伴奏者さんがいらっしゃるのですが、ご都合がつかずで私が代理で本番に立つことに。

彼女はコンクールにも慣れているし、去年は決勝まで残っている実力者なのですが、コンクールというのはいかんせん大きくにも左右されます。審査員の判断基準、ホールの相性、出場メンバーの様子など。今日は全国への切符をかけた、後がないチャレンジでした。

メンデルスゾーンのバイオリンコンチェルト、第3楽章。とても有名で、この上なく華やかで技巧的な曲です。最後に合わせた先週の様子では、先生との協議の結果、音楽の流れを重視したい…と、彼女はかなりのテンポアップを希望していました。伴奏も、なかなか大変(^^;;。

しかしその後に、やはり速すぎると細部を弾ききれていない…という指摘が入ったようで、今日会場で「あまり速くないほうがいい」というリクエストをいただき。きもちテンポ落ち着き気味で伴奏させていただいたのですが。

結果的に彼女はミスがいくつか出てしまい、音楽にものれなかったようで、速さが足りなくて楽しく弾けなかった…と落ち込んでいました。なんだか私も残念で…せめて楽しく弾かせてあげたかったなあ、私もまだまだ勉強が足りない…と思いながら、結果を待たずに先に帰宅させていただいたのですが。

結果は、残念ながらあと1点足らず通りませんでした。しかし!審査員の講評はとても良かったんだそうです。ちょうどいいテンポで、自然な音楽の流れで気持ちよく聴けました、音色が良かったですと。

彼女は帰りの電車の中で、「すごく悔しい!でも、今までもらった中で一番嬉しい講評だった、もっと頑張る!」と、早速次の曲の譜読みを始めたそうです(^^)。そんな彼女を見て、お母様は「受かったよりも、良かったかもしれないです、ありがとうございます」と嬉しい一言を。

コンクールって、つい必死になってしまうけど最終目的ではないんですよね…あくまで自分を成長させるためのツールなんです。負けたとしても、勝つよりもむしろいい結果を得られたのかもしれない、彼女はもっと上手になれそうだな(^^)と思いました。音楽が大好きで、自分のために弾くことさえ出来たなら。何度だって立ち上がれるし、一生学ぶことがあります。私もまた明日から頑張ろうと思いました(^^)。
posted by mintberry at 21:57| Comment(0) | 生徒さん

2017年09月25日

子供達の最初の壁

ピアノを初めて習う子供達をもう何十人教えてきたか、よく覚えていませんけども(^^;;。実は、導入のレッスンはなかなか大変です。というのも…自分がどのようにしてピアノを弾けるようになったのか、どうやって音符が読めるようになったのか…というのは、どうやって歩くことを、話すことを覚えたのか…ということに似ていて、自分ではよく覚えていないんですよね…。それでも、彼らの立場になって、どうしてわからないのか、どうして出来ないのかを考えなくてはいけません。

私は導入テキストとして、田丸信明さんのぴあのどりーむを使用しています。全部で6冊あるのですが、絵もかわいくて、薄いのですぐに終わり、一冊終わった!という達成感がやる気につながるようで、次の本は何色??とみんなワクワクしています(^^)。

ただ…1つだけ問題があります。それは、3巻までは指使いをふりすぎていることです。大昔、そのまま使っていたら4巻でいきなり弾けなくなった生徒さんがいて原因を突き止めたところ、それまで過剰な指番号を見て音符を読まずに弾いていたことがわかり…以来、私は修正テープで指番号を間引いております。

というわけで、間引き後の楽譜になりますが。
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チビちゃん達の最初の関門、それは右手と左手が違うことをするです。その最初の曲が、このぴあのどりーむ2巻の終わりにでてくる、はげしくあめがふってるよです。

普通に弾かせてみると、たいていの子が。そーー、みーー、ふぁーー、みーー…と、3拍ごとに手をあげてしまうんですね。左手がスタッカート気味にぽんぽん跳ねているので、音が変わる時に一緒に右手も跳ねたくなるんです。

なので私は、譜面には書いてないけど右手の4小節をつなげるレガートで、まず片手で弾いてもらいます。そして左手はスタッカート気味に短めにドを連打…そして、左手はうさぎさんだけど、右手はカメさんだよ、べったりしてるよ…と説明します。

それでも左につられて右手が上がろうとする子は多いです。そうなれば、そーーを弾いてる5の指を私が上から軽く押さえて上がらないようにするのですが、そうすると次のミが弾けない子続出。止まってもいいよ、でも次のミを弾くまでソは離さないで!と促しつつ。頑張ってミを弾きにいったら、私も指を離してあげる感じで、つかませていきます。

それでも苦しそうな子には。左手のことは考えなくていいから、右手のことだけ考えてみて!と。左手はただの同音なんですが、右手より音が多いです。だから、チビちゃん達はそのズラっと並んだ左手のドを弾くことに必死になる子が多い。結果、左手のように右手を切ってしまうわけです。左手は太鼓のように同じ音を叩いてるだけだよー、指に任せておいても大丈夫だよーと、右手に意識を向けさせるだけで弾けるようになる子もいます。

ですが、これでもまだ右手が切れる場合。片手ならレガートに出来ることを確認した上で…。右手を弾きながら、左手は膝の上でぽんぽん!です。ドを弾く!ということに必死すぎる子の場合、カメとウサギまで意識がいかないので一度鍵盤から離れたほうが良く、膝の上で左手がリズム通りにぽんぽんしながら右手を弾くと、イメージが掴めてきます。あとは、ドの連打に変えるだけ。これでうまくいきました(^^)。

別にスラーもかかってませんし、右手上がってもいいじゃないか…と思われるかもしれませんが。ぴあのどりーむ3はもう、左手伴奏、右手メロディーです。それが、伴奏の音が変わるたびに右手がつられて上がってしまうと、メロディラインがいつまでもつなげられないんですね。これまた、過去に別の教材からぴあのどりーむ3へ進めた子がいまして、右手左手どちらも一緒にしかあがらないので、なぜなのか考えたところ。この、はげしくあめがふってるよ…を弾いてなかったからだと気付きました。

というわけで、過去の生徒さんの苦労を教訓に、私の中で絶対やってもらいたい重要ポイントとなった一曲のご紹介でした(^^)。



2017年09月19日

宇奈月モーツァルト祭

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すっかりご無沙汰してしまいました(^^;;、久しぶりのブログ更新です。

台風が猛威をふるったこの三連休、お友達と三人で富山のモーツァルト祭に参加してきました。富山在住のピアノ仲間、Tさんからお誘いがあったのは実は1年前になります。彼女と連弾をさせていただくことになり、ソロも弾かせていただくことになり。そこへ横浜のKさんも加わり、私はお二方両方の連弾のお相手を務めさせていただきました。

富山県の山合いにある宇奈月温泉郷で、この三日間はあちらこちらでモーツァルトの音楽が奏でられました。心配された台風は、直撃したもののなんとか私たちのタイミングははずれてくれまして、予想以上のお客様で嬉しいやら緊張するやら(^^;;。私たちは宇奈月グランドホテルのロビーで、1時間のプログラムを演奏させていただきました。

三人で手分けして準備してきたプログラム、幸い恵まれた音響とピアノで楽しく演奏させていただくことができました。ある程度ざわつく中での演奏を覚悟していたのですが、そんな心配は無用なほど皆さんご静聴下さって…私の演奏は、楽しさが先行して色々とやらかしてしまい、やはりモーツァルトは甘くなかった…の一言につきましたが、お二人は充実したとても素敵な演奏で、結果として私もとても幸せな思い出深い一日となりました(^^)。

またいつか、出られたらいいなと思います。楽しい思い出にできたのも、TさんとKさんのお陰です、どうもありがとう(*^^*)。
posted by mintberry at 21:53| Comment(4) | コンサート覚書

2016年11月25日

美しい布を織るように

ある程度ピアノが弾けるようになってくると、今度は「少しでも美しく弾きたい」と思うようになるものですよね。自分の演奏の動画や録音を聴いて、私、頑張って弾いたけど…あんまりキレイじゃないなあ…と。

演奏のレベルを上げるにはそれはもう無数のやり方があって、ピアニストですら一生追い求めるものであったりするのですが…。私が最近よく思うのは、ピアノは縦糸と横糸の折重なりで出来ている、織り物と似ているということです。

縦糸が、一つ一つの音符。横糸がフレーズやメロディー。大抵の場合、これらのバランスを取るのが難しく、大体どちらかの糸が太くなりがちです。ちなみに私の場合…以前は横糸(流れ)が強くて、縦糸(個々の音)が弱かったです。これはひとえに…森ばかり見て木を見ない、本来の大雑把でせっかちな私の性格によるところが大きいと思われます(^^;;。とにかく何をやらせても、早いのに雑!と言われて育ちましたのでね…この曲はこんな曲、こう弾きたい、早く仕上げよう!と、外枠を把握するのが先に立ちすぎて、詳細がいい加減だとこうなりやすいです。縦糸がおろそかになると、音が抜けたりかすれたり…が増えます。

私は大人になってからも、自分の演奏のレベルアップは縦糸の強化だ!となかなか気付けず、基本中の基本である「音符と楽譜を読む」という、わかったつもりでわかってなかっていなかったことを先生に教えられ、縦糸のことに気付き…とても納得いきました。

対して、着実にゆっくり積み上げるのが得意な人がいます。丁寧に、キッチリと。こういう演奏の場合、一つ一つの音符がキチンと鳴って丁寧な印象は受けるのですが、横糸が弱いと「音が並んだだけ」になりやすいです。音楽として流れにくいので、聴いていて詰まるような感じがあったり。この場合は、まずフレーズなどの小さな単位でいいから、塊で感じてまとめて弾くことから…になります。

いくら素敵な森を作ろうとしても、一本一本の木々が手入れされていなければ、やっぱり素敵な森は出来ないわけです。そして、一本一本を丁寧に手入れしたとしても、空から森を見たときにいびつであれば、やはり素敵にならない。木が縦糸で、森が横糸みたいなものでしょうか。布を織るだけなら簡単だけども、糸の太さや強さをコントロールしてなめらかな美しい布を織りたいですよね。まずはご自分のピアノがどちらの傾向にかたよりがちなのか分析してみると、縦糸と横糸のバランスが整ってさらにレベルアップできることと思います(^^)。