2016年11月25日

美しい布を織るように

ある程度ピアノが弾けるようになってくると、今度は「少しでも美しく弾きたい」と思うようになるものですよね。自分の演奏の動画や録音を聴いて、私、頑張って弾いたけど…あんまりキレイじゃないなあ…と。

演奏のレベルを上げるにはそれはもう無数のやり方があって、ピアニストですら一生追い求めるものであったりするのですが…。私が最近よく思うのは、ピアノは縦糸と横糸の折重なりで出来ている、織り物と似ているということです。

縦糸が、一つ一つの音符。横糸がフレーズやメロディー。大抵の場合、これらのバランスを取るのが難しく、大体どちらかの糸が太くなりがちです。ちなみに私の場合…以前は横糸(流れ)が強くて、縦糸(個々の音)が弱かったです。これはひとえに…森ばかり見て木を見ない、本来の大雑把でせっかちな私の性格によるところが大きいと思われます(^^;;。とにかく何をやらせても、早いのに雑!と言われて育ちましたのでね…この曲はこんな曲、こう弾きたい、早く仕上げよう!と、外枠を把握するのが先に立ちすぎて、詳細がいい加減だとこうなりやすいです。縦糸がおろそかになると、音が抜けたりかすれたり…が増えます。

私は大人になってからも、自分の演奏のレベルアップは縦糸の強化だ!となかなか気付けず、基本中の基本である「音符と楽譜を読む」という、わかったつもりでわかってなかっていなかったことを先生に教えられ、縦糸のことに気付き…とても納得いきました。

対して、着実にゆっくり積み上げるのが得意な人がいます。丁寧に、キッチリと。こういう演奏の場合、一つ一つの音符がキチンと鳴って丁寧な印象は受けるのですが、横糸が弱いと「音が並んだだけ」になりやすいです。音楽として流れにくいので、聴いていて詰まるような感じがあったり。この場合は、まずフレーズなどの小さな単位でいいから、塊で感じてまとめて弾くことから…になります。

いくら素敵な森を作ろうとしても、一本一本の木々が手入れされていなければ、やっぱり素敵な森は出来ないわけです。そして、一本一本を丁寧に手入れしたとしても、空から森を見たときにいびつであれば、やはり素敵にならない。木が縦糸で、森が横糸みたいなものでしょうか。布を織るだけなら簡単だけども、糸の太さや強さをコントロールしてなめらかな美しい布を織りたいですよね。まずはご自分のピアノがどちらの傾向にかたよりがちなのか分析してみると、縦糸と横糸のバランスが整ってさらにレベルアップできることと思います(^^)。
posted by mintberry at 23:17| Comment(4) | ピアノ演奏のヒント